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設計者のための免震入門(2) 免震構造と耐震安全性
 
 図1に、兵庫県南部地震やノースリッジ地震などで観測された地震動の加速度応答スペクトル(減衰定数h=0.1)を示す。
図1 加速度応答スペクトル
同様に図2は、縦軸に最大加速度応答を横軸に最大変位応答をプロットしたスペクトルである(h=0.2)。
図2 SA-SDスペクトル
建物の周期1秒前後では、加速度・変位ともに非常に大きい。これまで超高層建築などの地震応答解析によく用いられてきたEL CENTRO波(最大速度50cm/s)などに比べるとその応答の大きさは歴然としている。一般に、観測地震動の加速度応答スペクトルを見ると、周期4秒以上では地震波の種類にかかわらず応答は殆ど一定であり、その応答レベルも小さくなる。この領域に免震建物の周期を設定することで、より高い免震効果を得ることが可能となる。このためには、積層ゴムの面圧は100kg/p2〜150kg/p2程度、2次形状係数(積層ゴムの直径と全ゴム層厚の比)としては5程度の形状が推奨される。
 ダンパーは地震のエネルギーを吸収し、揺れを抑える部材(機構)であり、鋼材や鉛材の弾塑性変形を利用する場合が多い。この2つの仕掛けにより、建物の地震被害はほとんど出ないことが実証されている。また、建物内部の什器や機器類の転倒、更には2次部材の損傷も起こらず、大きな安心感を得ることができる。
 積層ゴム部材とダンパーの性能は、実物実験により事前に確認できる。従って、免震建築が地震時にどの様な動きをするかは正確に予測でき、地震時の建物性能を事前に評価する事を可能にしたのである。
 更に、免震構造では構造骨組全体のコストは数パーセントの減少が見込まれる。又、2次的な災害も未然に防がれるのでその対策費を考えれば、結局免震建築の方がコストは安くなることになる。





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